1.モーションセンサから出力されるCSVのクォータニオンを利用していただき、
「モーションセンサを使用した角度の算出方法 その2」
https://www.sports-sensing.com/brands/labss/motionmeasurement/motion_biomechanics/calcanglebyimu02.html
の最初の式から回転行列Rを計算します。
2.モーションセンサから出力されるCSVの加速度ベクトルaと、この行列Rとの積 R a を計算することで、絶対座標系の加速度に変換することが可能です。
もし「ゆっくり」モーションセンサを回転していただければ、常にz軸成分に重力加速度を示しますので,計算方法を確認できます。
なお、この計算で二つの注意点があります。
A.センサの出力の単位はGです。m/s2ではありません。また、内蔵されているセンサの出力値をそのまま出力しておりますが、この値は,
https://www.sports-sensing.com/brands/labss/motionmeasurement/motion_biomechanics/basis_accsensor.html
にも記載しておりますが、いわゆるバイオメカニクスで使用する物理的な加速度とは、反対方向の加速度を出力しています。たとえば,X軸方向にだけ「さっと動かし止める」と,右側に「加速して」続いて「減速」することになりますので、X方向の信号としては本来、「正」から「負」の信号となるのが物理的に正しいのですが、どのメーカーのセンサチップも重力加速度の向きにあわせて,正負が反対の信号を出力しています。したがって今の例ですと、センサの出力は「負」から「正」に変化する信号を出力されます。このように弊社のセンサも,一般的な出力との整合性を優先して、そのまま出力しておりますので、物理計算を行う際には加速度aの符合を反対に(-1をかける)して計算を行ってください。
前述のテストで回転をしていない場合は、補正後の絶対座標系のz方向の重力加速度が,+9.8となるのが物理的に正解です。紛らわしいのでご注意ください。
B.センサは計測開始時の重力加速度を頼りに,傾き角を初期値として利用します.したがって,計測スタート時に動いていると、姿勢角度(クォータニオン)は正確な姿勢を計算できなくなる可能性が高くなります。クォータニオンの出力を利用する際には、できるだけ計測スタートで静止するようにご注意ください。
また、クォータニオンは計測開始時の方位(東西南北の向き,ヨー角)を、リセット(ゼロと)します。計測開始時に面に対する傾きは検知したクォータニオンを出力しますが、方位は計測開始時を0として計算を行いますので、ご注意ください。